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学校給食の目的が従来の「国民の食生活の改善に寄与するもの」から「食に関する正しい知識と判断力を養う上で重要な役割を果たすもの」など、「食育」を意識した内容に大幅な改正が行われ、平成21年4月から施行されます。2008年7月30日付けの日本食糧新聞の記事を紹介します。また、これに関連してやはり日本食糧新聞の7月30日付けの記事もご覧下さい。

学校給食の目的大幅改正「食の知識と判断力養う」 食を巡る環境が変化日食 2008/07/30 日付

学校給食法を含む「学校保健法等の一部を改正する法律」が6月11日開催の参議院本会議で可決・成立した。学校給食の目的が従来の「国民の食生活の改善に寄与するもの」から「食に関する正しい知識と判断力を養う上で重要な役割を果たすもの」など、大幅な改正を含む大改正は昭和29年(1954年)の法律制定以来初。施行は平成21年4月1日から。(福島厚子) 趣旨は「学校保健及び学校安全の充実を図るとともに、学校給食を活用した食に関する指導の充実及び学校給食の衛生管理の適切な実施を図るため、国が学校の環境衛生及び学校給食の衛生管理等に関する基準を策定するとともに、養護教諭、栄養教諭その他の職員の役割について定める等所要の措置を講ずる」というものである。 概要としては、法律の題名を「学校保健安全法」に改称した。そして国・地方公共団体の責務(財政上の措置その他の必要な施策の実施、国による学校安全の推進に関する計画の策定等)、学校の設置者の責務(学校の施設設備・管理運営体制の整備充実等)を明記した。 学校給食法の一部改訂では、目的の改正に見られるように現代の児童生徒の食をめぐる状況の変化や食生活・食習慣の改善の必要性を踏まえたものとなっている。学校給食の目標は食育の観点から「協同の精神」「生命及び自然を尊重する精神」「環境の保全に寄与する態度」「勤労を重んずる態度」を養うこと、わが国や地域の伝統的な食文化への理解などの項目が加わった。 また、現行の学校給食の実施基準は告示、衛生管理の基準は局長通知となっているが、改正後はいずれも告示となる。 学校給食を活用した食に関する指導は、栄養教諭が実践的な指導を行うことを明記するとともに、食に関する指導が給食の時間のみならずさまざまな教科に関連して行われることを踏まえ、校長に指導の全体的な計画作成と必要な措置を講ずることを求めている。栄養教諭が食に関する指導を行う際には、学校給食への地場産物活用、地域の食文化や食にかかわる産業、自然環境への理解増進を図るよう努めることを規定している。

配置進まぬ栄養教諭 08年4月現在で1886人に日食 2008/07/30 日付

文部科学省の06年度学校給食実施状況調査(06年5月現在)によると、全国の栄養教諭および学校栄養職員の配置数は1万2305人である。栄養教諭の配置は05年から始まったが、08年4月現在で全国1886人で、最も多いのが兵庫県の285人、そして北海道261人、大阪府139人が続く。 配置が08年が初というのは東京都5人、静岡県3人で最後発である。 学校給食法の一部改正で目的を栄養改善から食育に大きく舵を切ったものの、その促進のために専門性を有する教育職を設けながら配置が進まず、早期配置や学校栄養職員からの移行推進など計画的な実施が期待される。